正式な訴訟名は「霊璽簿からの氏名抹消等請求事件」です。

 靖国と国は共同して日本軍の戦争に参加させられた兵士らの死を一方的に意味づけてきました。すなわち、その「霊」に「感謝と敬意(ありがとう)」を捧げて、後に続くものの養成をしてきました。これこそが国民が侵略戦争に組み入れられる仕組みでした。この仕組みの中核を切り崩す、最も本質的な反靖国闘争が始まります。この訴訟において、遺族たちは「宗教的に」美化されてきた戦死者の利用を、「宗教的に」否定します。この闘いが成功裏にすすんで、それがまだ立ち上がらない多くの遺族、未来に徴兵されるかもしれない若者、そしてその遺族となるかもしれない人びとに、のろしとなって伝わり、すべての人が宗教的に靖国を拒否する日を目指しましょう。これ以外に、靖国が本質的に消滅することはありません。

 この闘いが、国立追悼施設のうそも、とりあえずの外交的配慮も超えて、真に「ころさない、ころさせない、ころされない」の闘いとなるはずです。