抗 議 声 明 |
2006年8月15日、小泉首相は、内外の批判に一切耳を貸さず、昂然と靖国神社参拝を実行した。 2001年に始まる首相参拝について、昨年(2005年)9月30日の大阪高裁は明確に違憲と判断した。「公約」としての参拝は、他のどのような詭弁を弄しようが、職務行為としての外形を示すこと、神社参拝という客観的な見地から憲法が禁止する国の機関の宗教活動に当たると、疑問の余地なく認定している。首相の今回の参拝は、ことさら「公約」を強調、司法を愚弄するものであり、許されるものではない。 公務員に特別の遵守義務がある憲法を守らない首相に、五年もの長きにわたって耐えなければならなかった私たち民衆の怒りは、今や頂点にあることを思い知るべきである。 靖国神社は、戦没者を追悼するのではなく顕彰することによって、先の侵略戦争を正当化すると同時に、未来の若者たちを戦争への動員の模範として利用するという機能を備えた「侵略神社」である。 この神社に、行政の長が参拝を繰り返すことは、単に国内法の無視にとどまらず、侵略・植民地支配に苦しんだ近隣諸国に対する挑戦でもある。二度と侵略しないと誓った日本国憲法の約束を、世界中の人びとに向かって「無視する」という宣言を行ったに等しい。 小泉純一郎という「人間」には、何を言ってもむなしい。しかし、私たちは満腔の怒りをもって、この参拝に強く抗議する。 |
2006年8月15日 小泉首相靖国参拝違憲アジア訴訟団 |